担当弁護士:北川 舜
事例概要
• ご相談者:50代男性(被相続人の長男)
• 相手方:被相続人と同居していた妹(長女)
• 相談内容:母と同居していた妹が管理していた預金口座から、生前に合計約1,700万円の使途不明な出金が存在。妹に説明を求めても十分な回答が得られず、適正な遺産分割と使途不明金の実態解明を希望。
• 手続内容:遺産分割交渉、弁護士会照会(23条照会)、不当利得返還請求訴訟、税理士・司法書士連携によるワンストップ相続手続き
• 結果:年間多数の相続、遺産分割トラブルを解決してきた弁護士が対応。訴訟にて有利な心証を獲得し、本来の法定相続分に加えて1,100万円を取得する内容で和解成立。
ご相談前の状況と課題
母が亡くなり、相続人は兄(依頼者)と妹の2人でした。 妹は母と同居しており、生前から母の財産を管理していました。
相続手続を進める中で、母の預金口座から50万円の出金が複数回行われていることが判明し、合計約1,700万円の使途不明金が存在することが分かりました。
依頼者は、これらの出金が母のために使われたものなのか、妹が自身のために使ったものなのか分からず、妹に説明を求めましたが、十分な説明を受けることができませんでした。
そこで、使途不明金の実態を明らかにし、適正な遺産分割を実現するため、当事務所にご相談いただきました。
弁護士の対応と解決のポイント
1 金融機関の取引履歴調査と弁護士会照会(23条照会)による介護認定記録の取得
まず、金融機関から母の預金口座の取引履歴を取り寄せ、生前の出金状況を詳細に調査しました。 しかし、取引履歴だけでは、妹が実際に母の財産を管理していたことを十分に立証できない可能性がありました。
そこで、妹が母の財産を管理していた経緯を明らかにするため、弁護士会照会(23条照会)を利用して介護認定記録を取り寄せ、母の生前の管理能力や生活状況、財産管理の状況を確認しました。
その結果、母自身が預金等を管理することが難しい状況にあり、妹が母の財産を管理していたことを裏付ける証拠を得ることができました。
2 交渉から不当利得返還請求訴訟への移行と有利な心証獲得
調査結果を踏まえ、妹に対して使途不明金の具体的な使途について説明を求めました。 しかし、妹から十分な説明がなされなかったため、交渉だけでの解決は困難と判断し、訴訟を提起しました。
訴訟では、銀行の取引履歴だけでなく、介護認定記録等も証拠として提出し、母の生前の状況や妹による財産管理の実態、預金からの出金状況について具体的に主張しました。 これらの証拠を積み重ねて主張した結果、裁判所から当方に有利な心証を得ることができ、その後の和解交渉を有利に進めることができました。
3 税理士・司法書士と連携したワンストップ相続手続
相続問題の解決後に必要となる手続についても、依頼者が個別に専門家を探す必要がないよう、弁護士北川が連携している税理士・司法書士と協力して手続きを進めました。
相続税の申告については連携する税理士に依頼し、相続財産の内容や今回の解決内容を共有した上で、必要な申告手続きを進めました。 また、相続した不動産については、連携する司法書士に引き継ぎ、相続登記などの不動産関係の手続についてもスムーズに進められるようサポートしました。
このように、相続人同士の紛争解決だけで終わるのではなく、相続税申告や不動産の名義変更など、相続に伴って必要となる手続についても、税理士・司法書士などの専門家と連携して対応しています。
成果・結果
最終的に、依頼者は本来の法定相続分に加えて1,100万円を取得する内容で和解が成立しました。
約1,700万円に及ぶ使途不明金について、金融機関の取引履歴だけでなく、介護認定記録等を含む複数の証拠から財産管理の実態を立証し、依頼者の取得額を大きく増やすことができた事例です。
弁護士北川からのワンポイントアドバイス
相続人の一人が被相続人の財産を管理していたケースでは、預金の取引履歴だけでなく、被相続人の生前の判断能力や生活状況、財産管理の実態などを含めて検討することが重要です。
親の預金口座から多額の出金があっても、相手方が「親に頼まれて引き出した」「生活費や医療費に使った」と主張し、協議が平行線になることは少なくありません。こうした使途不明金(不当利得・使い込み)の問題では、銀行の取引履歴だけで相手方の使い込みを証明するのは困難であり、要介護度や認知機能の推移を示す「介護認定記録」や「医療記録」を分析し、当時の財産管理能力を客観的に立証することが勝敗の分かれ目となります。
当事務所では、姫路市・西播磨エリアを中心に、使途不明金が絡む複雑な遺産分割や訴訟において多数の解決実績がございます。また、解決後の相続税申告(税理士)や不動産の相続登記(司法書士)まで、窓口ひとつで完結するワンストップ体制を整えております。親の財産管理や使い込みに疑問をお持ちの方は、諦めてしまう前に、まずは姫路駅前法律事務所の弁護士北川までお気軽にご相談ください。
このような方はご相談ください
• 相続後、親の預金から不自然な出金が見つかった
• 兄弟姉妹が親の預金や財産を管理していた
• 相手方が預金の使い道を説明してくれない
• 親の生前に多額の預金が引き出されている
• 認知症や要介護状態だった親の財産を他の相続人が管理していた
• 相続財産の全体像が分からない
• 使途不明金について、どのような証拠を集めればよいか分からない
• 相続税申告や相続登記についてもまとめて相談したい