相続放棄
2026/10/05

10年以上前に亡くなった祖母の不動産持分が発覚|遺産を知 らなかった事情を立証し、相続放棄が受理された事案

担当弁護士 北川 舜

事例概要

• ご相談者:30代女性(被相続人の孫/再転相続人)
• 相談内容:平成25年に死亡した祖母の土地共有持分(5分の1)が存在することが令和になって初めて判明。祖母の死亡から10年以上、父の死亡からも時間が経過しているが、相続放棄を行いたい。
• 手続内容:相続放棄申述(家庭裁判所・熟慮期間3ヶ月経過後の特別事案)、認知時期および過失不在の立証(上申書・陳述書の作成)
• 結果:年間多数の長期間経過後の相続放棄を解決してきた弁護士北川が対応。遺産の存在を知るきっかけがなかった事情を詳細に立証し、無事に相続放棄が受理。不要な不動産持分の管理責任や負担を完全に回避。

ご相談前の状況と課題

被相続人である女性は、平成25年に亡くなっていました。 その後、被相続人の夫も亡くなり、孫である相談者様が遺産の調査を行ったところ、被相続人名義の土地の共有持分が残っていることが判明しました。 土地は、被相続人が5分の1、被相続人の夫が5分の4を共有する形で登記されていました。
被相続人が亡くなった当時、財産はほとんどないものと考えられていたため、遺産分割協議は行われていませんでした。
また、被相続人の子である相談者様のお父様も、被相続人にこのような不動産の持分があることを認識していないまま、平成28年に亡くなっていました。
ご相談者様は、今回の遺産調査によって初めて被相続人名義の土地の持分が存在することを知り、この土地の持分を含め、被相続人からの相続を放棄したいとしてご相談に来られました。
しかし、被相続人が亡くなったのは平成25年であり、通常の相続放棄の熟慮期間である3か月を大幅に経過していました。
そこで、「なぜこれほど長期間、相続放棄をしていなかったのか」「ご相談者様のお父様が被相続人の相続財産を認識していたのではないか」という点が重要な問題となりました。

弁護士の対応と解決のポイント

1 相談者及びその父親が財産を認知し得なかった事情の立証

まず、被相続人の相続関係と不動産の権利関係を整理し、ご相談者様のお父様が被相続人の財産を認識していなかった事情を確認しました。 ご相談者様は、被相続人と財産について話をすることはなく、今回問題となった土地についても、単に「祖父の家」であると認識していました。 そのため、被相続人が土地の共有持分を有していることは全く知らなかったことを具体的に説明しました。
また、ご相談者様のお父様についても、被相続人の死亡後に遺産分割協議を行った事実はありませんでした。
そこで、
•被相続人名義の共有持分について遺産分割協議が行われていなかったこと
•不動産の登記名義が被相続人のまま残っていたことから、ご相談者様のお父様が財産として認識していたとは考えにくいこと
•固定資産税の納付書についても、共有持分を有する被相続人の夫に届いていたと考えられ、ご相談者様のお父様が共有持分の存在を知るきっかけがなかったこと
等を整理しました。

2 相談者が遺産を知った時期の立証

さらに、今回は申述期間をかなり経過していたため、ご相談者様が被相続人の遺産を知った時期の立証が必要でした。
ご相談者様が被相続人の遺産を知ったのは、被相続人の夫の遺産調査のために土地の登記情報を取得したところ、被相続人の共有持分が残っていることが判明したためでした。そこで、当該登記情報の取得日時が遺産を知った日となるため、当該登記情報を証拠として提出しました。
このように、被相続人の死亡から長期間が経過しているものの、ご相談者様側が相続財産の存在を認識していなかった事情を具体的に説明し、相続放棄の申述を行いました。

成果・結果

裁判所に対して、被相続人の相続財産を認識していなかった具体的な事情と、今回初めて不動産の共有持分を知った時期を資料とともに説明しました。 その結果、ご相談者様の相続放棄の申述が受理されました。 これにより、ご相談者様は、長期間前に亡くなった被相続人について、今回判明した不動産の共有持分を含む相続について放棄することができました。

弁護士北川からのワンポイントアドバイス

相続放棄は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります。 もっとも、相続財産の存在を知らないまま時間が経過してしまった場合などには、相続放棄が認められる可能性があります。 本件では、被相続人が亡くなってから長期間が経過していましたが、
•被相続人にどのような財産があったのか
•相続人がその財産をいつ知ったのか
•遺産分割協議を行っていたのか
•不動産の登記がどのような状態になっていたのか
•固定資産税などの関係から、相続財産を知る機会があったのか
といった事情を一つずつ確認し、相続財産を認識していなかった事情を具体的に説明しました。

「亡くなってから何年も経っているから、もう相続放棄はできない」と諦める前に、相続財産を知った時期や、それまでの経緯を含めて検討することが重要です。

当事務所では、姫路市・西播磨エリアを中心に、死亡から期間が経過した複雑な相続放棄や再転相続の解決実績が多数ございます。「期限が切れているかも」と不安な方も、諦めてしまう前に、まずは姫路駅前法律事務所までお早めにご相談ください。

このような方はご相談ください

• 親や祖父母が亡くなってから3ヶ月以上経過しているが相続放棄したい
• 昔亡くなった身内の不動産や借金が今になって突然発覚した
• 途中で親が亡くなって自分に権利が回ってきた(再転相続)
• 亡くなった当時は財産がないと思っていた
• 固定資産税の納税通知書が届いたことで初めて財産を知った
• 裁判所から照会書(質問状)が届いてどう回答すればいいか分からない

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