遺産分割
2026/10/05

自宅を取得したいという希望を実現|寄与分・生前贈与・生命保険金を整理し、法定相続分より800万円多く取得した事案

担当弁護士 北川 舜

事例概要

• ご相談者:60代女性(被相続人の二女)
• 相手方:被相続人の長女(ご相談者様の実の姉)
• 相談内容:約20年間母と同居し介護や物件管理を行ってきたが、姉から「不動産や生命保険金も含めてすべて2分の1ずつ分けるべき」と強く主張された。母と同居してきた自宅の取得と、長年の貢献(寄与分)や姉への生前贈与を考慮した適正な分割を希望。
• 手続内容:遺産分割協議、銀行取引履歴調査による生前贈与(特別受益)の立証、介護記録等に基づく寄与分・生命保険金の有効性主張、司法書士・税理士連携による相続登記および相続税申告
• 結果:年間多数の複雑な遺産分割トラブルを解決してきた弁護士(北川)が対応。生前贈与と寄与分を考慮した交渉により、ご相談者様が自宅および賃貸アパートを取得。法定相続分より約800万円多く遺産を取得した上、生命保険金約2,000万円も満額取得する形で解決。

ご相談前の状況と課題

60代の女性から、亡くなったお母様の遺産分割についてご相談をいただきました。 相続人は、ご相談者様とお姉様の2名でした。 お母様の遺産には、自宅不動産のほか、賃貸用アパート、賃貸用マンション、預貯金約500万円がありました。
また、これとは別に、約2,000万円の生命保険金があり、その受取人はご相談者様となっていました。
ご相談者様は、約20年にわたってお母様と同居し、日常的な世話をしていました。具体的には、施設や病院への送り迎え、入院費の援助、賃貸物件の管理などを行っていました。
一方、お母様からお姉様に対して生前に金銭が渡されていたことが疑われる状況でした。
お姉様は、不動産や生命保険金も含めて財産を2分の1ずつ分けるべきだと強く主張しており、ご相談者様は、「長年母の面倒を見てきたことをきちんと考慮してほしい」「これまで母と暮らしてきた自宅を取得したい」との希望をお持ちでした。

弁護士の対応と解決のポイント

1 取引履歴調査による生前贈与(特別受益)の立証と生命保険金の取扱い整理

まず、お母様の預金口座の取引履歴を取り寄せ、生前のお金の流れを詳しく調査しました。 その結果、お姉様に対する不定期の振込みが複数確認されました。
そこで、取引履歴をお姉様に提示して確認を求めたところ、お母様からお姉様への生前贈与があったことをお姉様自身が認めました。
また、生命保険金については、受取人として指定されているご相談者様が取得するものであり、原則として遺産分割の対象となる相続財産とは別の財産であることを説明しました。
お姉様からは「生命保険金の受取人変更が無効である」との主張もありました。
これに対しては、当時のお母様の介護記録等を確認し、受取人変更が行われた当時のお母様の状況を踏まえても、お姉様の主張を認めることは難しいと説明しました。

2 約20年間の介護・物件管理に関する「寄与分」の具体的立証

さらに、ご相談者様が約20年間にわたってお母様と同居し、施設や病院への送迎、入院費の援助、賃貸物件の管理などを行っていたことについて、具体的な事情を整理しました。
これらの事情から、ご相談者様の行為が、お母様の財産の維持・増加に一定程度貢献したものとして、寄与分を主張できることを説明しました。
このように、お姉様への生前贈与(特別受益)、ご相談者様の寄与分、生命保険金の法的な取扱い、複数の不動産の評価・取得方法をひとつずつ整理し、ご相談者様が希望していた自宅の取得を実現できるよう、遺産全体の分け方を検討しました。

3 相続登記・相続税申告まで専門家と連携したワンストップ対応

遺産分割成立後の不動産の相続登記については、提携している司法書士に依頼しました。
また、相続税については、提携している税理士に依頼しました。
弁護士から事件の経緯や必要な資料をあらかじめ共有したうえで各専門家に引き継いだため、ご相談者様が同じ事情を一から説明し直す必要がなく、その後の手続もスムーズに進めることができました。

成果・結果

生前贈与と寄与分を考慮して遺産分割を行い、最終的に、自宅不動産(ご相談者様取得)、賃貸用アパート(ご相談者様取得)、賃貸用マンション(お姉様取得)、その他の遺産(ご相談者様取得)、生命保険金約2,000万円(ご相談者様取得)という内容で解決しました。
その結果、ご相談者様は、法定相続分で取得する場合と比較して約800万円多く遺産を取得したうえ、生命保険金約2,000万円も取得することができました。
ご相談者様が希望されていた「長年暮らしてきた自宅を取得したい」という希望も実現することができました。

弁護士北川からのワンポイントアドバイス

相続人が2人の場合でも、財産を単純に2分の1ずつ分ければよいとは限りません。

例えば、相続人の一人が被相続人から多額の生前贈与を受けていた(特別受益)、一人の相続人が長年にわたって被相続人の介護や財産管理をしていた、被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献をした(寄与分)、生命保険金の受取人が特定の相続人になっている、遺産の大部分が不動産である、といった事情がある場合、それぞれの法的な位置付けを検討したうえで遺産の分け方を考える必要があります。

本件でも、生前贈与、寄与分、生命保険金、不動産の取得方法などをひとつずつ整理したことで、ご相談者様の希望に沿った遺産分割を実現することができました。

当事務所では、姫路市・西播磨エリアを中心に、寄与分や特別受益が絡む複雑な遺産分割交渉において多数の解決実績がございます。また、解決後の相続税申告(税理士)や不動産の相続登記(司法書士)まで、窓口ひとつで完結するワンストップ体制を整えております。相手方の主張に納得がいかない方や、住み慣れた自宅を守りたい方は、諦めてしまう前に、まずは姫路駅前法律事務所の弁護士北川までお気軽にご相談ください。

このような方はご相談ください

• 長年親の介護や同居をしてきたので、遺産分割で考慮してほしい
• ほかの相続人が生前に多額の援助(生前贈与)を受けていた
• 相手から「法定相続分どおり2分の1で分けるべき」と主張されている
• 生命保険金の受け取りや受取人変更の有効性をめぐって揉めている
• 自分が住んでいる実家・自宅不動産を確実に買い取り・取得したい
• 複数の不動産があり、評価や分け方で意見が対立している
• 解決後の名義変更(相続登記)や相続税申告までまとめて依頼したい

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